rss
  • Home  »   » 
    • 1997年熊本大会以来のメインラウンドへ。アンゴラ戦レビュー | ハンドボール界唯一の月刊専門情報誌『スポーツイベント・ハンドボール』
News

1997年熊本大会以来のメインラウンドへ。アンゴラ戦レビュー


第27回世界男子選手権・1次リーグ最終戦が行なわれ、グループCの日本代表・彗星ジャパンは日本時間1月19日の23時半からアンゴラと対戦。

17年大会(フランス)、19年大会(ドイツ/デンマーク共催)の直近両大会でも対戦し、対戦成績は1勝1敗(17年○37-26、19年●32-29)という間柄です。

日本は勝利、もしくは引き分けで3位以上が、アンゴラは勝利で3位が確定するという双方にとって大切な最終戦となりました。

前回大会でのアンゴラ戦敗戦について「触れていない。それすらも雑念だと思った。リベンジとかも考えず、ただ勝つことだけ、その一点だけに集中したかった。いろいろ考えすぎていたところもあると思う。競ったうえで、またカタールに負けてしまったとか、みんなも思うところもあっただろう。なので、一度、シンプルに頭をリセットして、攻めた方がいいと」考え、「ただただ『勝ちにいくぞ』とだけ言って試合に臨んだ」とキャプテン土井レミイ杏利。

スタートメンバーは、OFではこれまでの2試合と同じ、RW元木博紀、RB渡部仁、CB東江雄斗、LB吉野樹、LW土井、PV笠原謙哉という並びですが、DFではGKは岩下祐太で変わらないものの、最初から東江をトップに置いた5:1DFでスタート。身体能力が高く、突破力・シュート力がある一方、組織だった継続的なOFが得意ではないアンゴラに対して、前から圧力をかけていこうという狙いが見えました。

前半中盤までは一進一退。日本は渡部のフィジカルを活かしたカットインや、吉野のロングなどで得点する一方、その5:1があまり機能せず、エドワルド・フェレイラらバックプレーヤー陣のシンプルなカットイン、ロングを止められません。

しかし、前半20分以降、岩下の好セーブや、吉田守一をうまく使ったポストプレーなどでリードを広げ、16-12と4点差で後半へ。

積極的なロング、カットインで日本OFをけん引した吉野(写真提供:Yukihito Taguchi / JHA)

 

後半に入っても、前半終盤でつかんだ流れを日本は手放さず、4点差前後をキープしたまま試合を進めていきます。

しかし、15分以降、相手GKの好守に何度もあい、また、アンゴラOF陣の強引なロングや中央の2対2をなかなか止められずにいる間に追い上げられ、後半23分で27-27と同点、25分には27-28と逆転を許します。

これが勝利へのプレッシャーか、このままズルズルと後退していくのがこれまでよく見られた光景でしたが、日本セブンはここで踏みとどまります。

3試合をとおして、試合中の選手交代策がよく当たったシグルドソン監督(写真提供:Yukihito Taguchi / JHA)

 

DFでよく粘り、元木、土井、東江がいずれも難しいシュートをねじ込み、30-28と再逆転して最終盤へ。1分を切ってから29点目をアンゴラに決められるものの、30-29で押し切って2大会ぶりとなる白星をあげました。

その後のクロアチアとカタールの試合でクロアチアが勝利したため、グループCは1位クロアチア、2位カタール、3位日本、4位アンゴラの順位が確定。3位までがメインラウンドに進出できるため、日本は1997年の地元・熊本世界選手権以来となる1次リーグ突破を決めました。

歓喜する彗星ジャパンの面々。Player of the matchはチーム最多7得点で、DFでもよく身体を張った渡部が受賞(写真提供:Yukihito Taguchi / JHA)

 

メインラウンドでは、1次リーグ・グループDのデンマーク、アルゼンチン、バーレーンと対戦します。

3チームとも格上、もしくは日本と近い力を持っており、シビアな舞台でこうした国々と対戦できる機会を得ることができたのは、今後の日本代表にとって非常に大きな意味を持ちます。

対戦スケジュールは以下のとおりです。

1月21日(木)23:30〜 対アルゼンチン
1月23日(土)28:30〜〈24日4:30~〉 対デンマーク
1月25日(月)23:30〜 対バーレーン