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【東京オリンピック】男子決勝レビュー フランスが2大会ぶりの金メダル!


◆フランス 25(14-10、11-13)23 デンマーク

 

東京オリンピック男子決勝戦が、8月7日に行なわれ、フランスとデンマークがリオデジャネイロ大会(2016年)に続いて顔を合わせました。

 

ここまでテンポのいいパス回しを見せてきた前回王者デンマークでしたが、この試合ではらしくないミスを連発。パスミスでやすやすと相手ボールにしてしまうなど、ターンオーバー(OFでボールを失うこと)がめだち、前半はわずか10得点。7人攻撃でもなかなかフランスDFを崩せず、リズムがつかめないながらも、守護神N・ランディンのセーブでなんとか持ちこたえます。

対するフランスは、ボールがバランスよく各ポジションに散らばりながらも、つねにデンマークDFのスキを見逃さず、シンプルなクロスから力強いミドルシュートを放って相手ゴールを襲います。4-4の13分にレミリとのクロスから左腕メムがミドル、続いて左バックに入るN・カラバティッチとのクロスでレミリがデンマークDFを突破して2点差にしてからは優位を保っていきます。

マエら交代で入った選手もゴールを決めて、前半はじつに10人が得点を記録(デンマークは4人)。的を絞らせない攻撃で、フランスが4点リード(14-10)して前半を終えます。

後半に入ってもフランスがペースを握り、2分にレミリの得点で16-10とこの試合最大となる6点差をつけました。

デンマークはDFシステムを6:0から5:1に変えるなどして反撃のチャンスをうかがうも、なかなか5点差を詰められません。

流れが変わったのは13分。デンマークのN・ランディンがサイドシュートを止めると、エースのM・ハンセンがカットイン、速攻で18-21。さらにフランスが16、17分と立て続けに2人の退場者を出す間に、左サイドのM・ランディン、右バック・ギゼルのシュートで19分21-22と1点差にします。

ここからデンマークが何度も同点にしようとしますが、そのたびにフランスは守り切り、それを許しません。

残り4分、23-22とフランスリードの状況から、フランスはL・カラバティッチのポストプレーにつなげ、これを守ろうとしたデンマークはDFの要・モルガーが退場。デンマークとしてはこの試合初の退場がこのタイミングで出てしまい、ピンチを迎えます。

数的有利を活かしてフランスは左サイドからデカが決めて24-22。1人少ないデンマークは時間を使いながら、しかし得点しなくてはいけない状況の中、今大会、ほとんど出番がなかったオルセンがミドルシュートを沈め再び1点差に。さらに残り10秒ほどで退場者が戻ってくるまで時間を使い、理想的な攻撃を展開しました。

残り1分、フランスは決めれば勝利が大きく近づく攻撃で痛恨のミス。しかも50秒近く残して相手ボールにしてしまいました。

最後に同点のチャンスを迎えたデンマークは、迷わず7人攻撃へ。決めて延長戦に持ち込みたいラストアタックは、ギゼルがポストにパスを出すも、フランスDFが身体を張った守りでボールをカット。そして、このこぼれ球を拾ったフランス・ファブレガスが無人のゴールにボールを投げ込んで25-23とし、勝負は決しました。

集中力を切らさず守り切ったフランスが、デンマークに前回大会のリベンジを果たすとともに、2大会ぶりに金メダルを獲得しました。

フランスは2008年の北京大会から4大会連続の決勝進出、さらにそのうち3回の金メダル(08年北京、12年ロンドン)と、オリンピックで抜群の強さを発揮。次回は地元パリでのオリンピックになるため、早くも5大会連続の決勝進出、さらに2度目の連覇に、期待が高まります。