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悲願のアジアジュニア制覇! バーレーン下して初の頂点へ


7月15日に開幕した第17回アジア男子ジュニア選手権(バーレーン)は、現地時間24日に決勝戦が行なわれ、日本とバーレーンが顔を合わせました。

22日の準決勝では日本がクウェートを28−26、バーレーンがサウジアラビアを31−26で下して決勝へ。

1次リーグ(19日)でも戦った両チームは5日ぶりの再戦となりました。この試合では、日本が最大5点リードするもバーレーンの強引な突破を止められず追いつかれ、さらに逆転を許します。しかし、終了間際、日本はフリースローから泉本心(中大)がロングシュートを決めて31−31の引き分けに持ち込みました。

決勝では日本がスタートから仕掛けます。スタートからゴールを守ったのは、今大会ベンチ入りが1次リーグ第2戦のパキスタン戦だったGK松下幸祐(国士大)。1次リーグのバーレーン戦もメンバーから外れていました。

植松伸之介監督の抜てきに応えた松下は、序盤から好セーブを連発。OF陣もセンター藤坂尚輝(日体大)を中心に得点を決めて5分4−1と好スタートを切ります。さらに11分、バーレーンの主軸J・ハミスが藤坂の顔へのアタックが危険行為となりレッドカード。これでさらに優位に立った日本はリードを広げていきます。終了間際、GK今井寛人(大体大)が7mTを2本連続でシャットアウトして、12−7と5点差をつけて折り返します。

しかし、後半は打って変わって開始からバーレーンペースに。5分までに5本のシュートを決められ同点に追いつかれます。

日本はたまらずタイムアウトを請求。逆転されてもおかしくはない状況でしたが、OFの布陣を変更して流れを引き戻します。相手の高めの5:1DFに対して、本来バックプレーヤーで機動力のある伊禮颯雅(中大)をポストに起用。さらにオフ・ザ・ボールの動きに長ける右サイドの荒瀬廉(大体大)を右バックに上げて対抗します。すると、足が止まっていたOFが徐々に息を吹き返してゴールが生まれるようになります。

ここからは一進一退の攻防が続き、13分から4度、同点にされましたが、そのたびにゴールネットを揺らしてバーレーンの逆転を許しません。

耐え続けた日本は、わずかなチャンスを見逃しませんでした。19−18の21分に相手のミドルシュートを防ぎ、こぼれ球を拾った荒瀬が速攻に持ち込みます。そして中央を駆け上がってきた北川雄聖(明大)へラストパス。ディフェンダーの北川は、これがこの試合初のシュートチャンスでしたが、冷静に沈めて2点差にしました。

焦りと疲労で徐々に勢いを失っていくバーレーンに対して日本は最後まで全員がハードワークして守り切ります。

残り1分を切ろうとしたところで伊禮がカットインを決めて23−20として勝負あり。最後のノーターム7mTも今井がセーブして、24−20でバーレーンを下し頂点に立ちました。

 

【決勝スコア】
日本 24(12−7、12−13)20 バーレーン

・日本の得点者
藤坂尚輝8点、泉本心4点、大竹徹大・荒瀬廉・伊禮颯雅3点、中島遼也・細田啓輔・北川雄聖1点

 

 

 

日本は第1回大会(1988年)からアジアジュニアに出場してきましたが、優勝はこれが初めて。コロナ禍で過去のチームに比べると、全員が集まれる期間が短いなど、決して満足のいく準備ができたとは言えませんでしたが、積極的にコミュニケーションを取りチームとして戦い続けられたことが1つの勝因になったのでしょう。

奇しくも決勝戦の日(7月24日)は、日本にハンドボールが伝来した日で、しかも今年で100年という特別な1日に、男子ジュニア代表が新しい歴史を創りました。アジア王者として臨む来年の世界男子ジュニア選手権(ドイツ、ギリシャ共催)での活躍が今から楽しみです。

また、オールスターチーム(ベスト7)に右サイドの荒瀬と、決勝で大活躍したGK松下の2人が選ばれました。

この大会の熱戦の模様は、『スポーツイベント・ハンドボール2022年9月号』でお伝えします。

 

【アジアジュニア選手権最終順位】
優勝:日本
2位:バーレーン
3位:クウェート
4位:サウジアラビア
−−−以上が世界ジュニア出場権獲得−−−
5位:韓国
6位:イラン
7位:パキスタン
8位:インド