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デンマークが劇的な勝利でベスト4へ 世界男子選手権14日目


大会14日目(26日の休息日含め15日目)の27日、決勝トーナメント1回戦と下位順位決定戦が行なわれました。

決勝トーナメントで最も注目を集めたのが、ディフェンディングチャンピオンのデンマークと開催国エジプトの試合。これ以上ないほどのドラマチックなゲームとなりました。

開始から鋭い出足のDFでデンマークに自由なボール回しをさせず、GKも好調なエジプトがデンマークと接戦を繰り広げたまま、終盤まで試合が進みます。そして、後半残り1分を切ったところでエジプトのサウスポー、ヤヒア・オマールが決めて28-27と1点リードしますが、ここでモハメド・マムドゥーが痛恨の不正入場。彼が2分間退場となったうえ、7mTがデンマークに与えられ、これをマグヌス・ランディンが決めて延長へと突入します。

それでも意気盛んなエジプトは一歩もひかず、第1延長も互角の戦いを披露します。そして、デンマークが34-33と1点リードで迎えた第1延長後半終了間際。

攻めていたデンマークのミケル・ハンセンがホイッスル直前に、だれにというわけでもなくサイドへと大きく投げたように見えた一投が、時間稼ぎと判断されて一発レッドカード。そのままエジプトの7mTとなります。

これをエジプトの右サイド、モハマド・サナドが見事にねじ込んで34-34で第2延長へ。

エジプトもこの10分間で1点しか取れなかったものの、この試合、けっして好調ではなかったとはいえ、やはりエースを欠いたデンマークのOFに鋭さがなく10分間無得点。最後のOFも実らず、ここで試合終了かと思われましたが、終了直前のデンマークのフリースローに対して、勢い余って前に出すぎたエジプトのイブラヒム・エルマスリーが、こちらも得点機の阻止でレッドカードを受け、デンマークにノータイム7mTが与えられます。

プレッシャーのかかる場面でしたが、マグヌス・ランディンがエジプトゴールにボールをねじ込み35-35でタイムアップ。7mTCへと移ります。

先攻・エジプトの第1投者はキャプテンのアフメド・エラフマー。1つフェイントをかけたあとのスローはすっぽ抜けたような形になり、デンマークGKニクラス・ランディンに易々とセーブされてしまいます。

その後は両チーム3人ずつ決めたデンマークの4人目。試合に出ていなかった左腕ヤコブ・ホルムのシュートはエジプトGKモハメド・エルタヤーが残った左手でセーブ。3-3で並びます。

そしてエジプトの5人目はアリ・ゼイン。このシュートをデンマークの守護神ニクラス・ランディンが振り上げた左足でセーブします。

最後に出てきたデンマークの5人目はベテランのラッセ・スヴァンが、運命の一投をひょうひょうと決め切り、デンマークが劇的すぎる勝利をあげました。

大接戦を制したデンマーク

大接戦を制したデンマーク(photo by egypt2021)

 

そのほかの3試合はフランスがハンガリーを35-32で、スペインがノルウェーを31-26で、スウェーデンがカタールを35-23で下し、4強が決定しています。

また、下位順位決定戦の結果は以下のとおりで、この結果、5位から32位までの順位が確定しました。

25位決定戦 チュニジア 37-33 オーストリア
27位決定戦 モロッコ 30-29 アンゴラ
29位決定戦 チリ 35-30 コンゴ民主共和国
31位決定戦 韓国(不戦勝)カーボベルデ

準決勝は29日に行なわれます。