アジア女子ジュニア代表18人が決定 世界行きの切符獲得に集中
6月30日から香港で、第17回アジア女子ジュニア選手権が開かれます。コロナ禍で行なわれた前回大会(2022年3月)に日本は不参加だったため、2大会ぶりの出場となります。
今年度の女子ジュニア代表(U-20)を率いる河合哲監督は、昨年の世界女子ジュニア選手権に出場した外口若奈(筑波大)ら18人を選出しました。
主力となる大学1年生は、新型コロナウイルスの影響でユース代表(U-18)としての活動がなく、年代別代表として集まるのは今回が初めて。当初はどこかよそよそしく、練習中はおとなしい印象がありました。右サイドの小山歩夢(東女体大)は「緊張もあり、どこで(盛り上げる)声を出していいのかわからなかった」と振り返ります。スタッフ陣もその点を懸念していましたが、コート内はもちろんのこと、練習以外の時間でも積極的にコミュニケーションを取っていくことで「徐々にまとまってきている」と、キャプテンの溝淵那月(大体大)も、チームの一体感が増していることを実感しています。
「国際大会でも戦える力はある」と個々の能力について話した河合監督は、「試合中に持っている力を出せるか、相手の動きに対応できるかなど未知数な部分は多いが、それらのレベルを、大会を通して上げていきたい。まずは世界女子ジュニア選手権の切符獲得を」と意気込みました。
今回のアジア女子ジュニアは、来年の世界女子ジュニア選手権の予選を兼ねており、上位5チームがその切符を手にします(10チームが参加)。5チームずつに分かれた1次リーグ(総当り、2組)で上位2チームが準決勝に進み、その時点で世界行きが確定。そのため、1次リーグの戦いが重要になってきます。
日本の1次リーグの対戦相手は、カザフスタン、香港、クウェート、そして韓国。過去の成績から考えると、初戦となるカザフスタン戦がポイントになるでしょう。カザフスタンは大型選手を揃えてくる傾向が強く、その高さ、パワーにはどの年代の戦いでも苦戦を強いられます。
合宿では、カザフスタン対策の一環として高校男子チームと練習試合を組みました。「まだ完璧ではないが、高校生との試合を通してロングシュートなどの対策ができ、自信がついたところがある」と溝淵。自分たちよりも体格がいい相手に対してどのように攻めて、どのように守るか。その感覚を養い、チーム内で共有しながら香港へ向かいました。
カザフスタンのほかに、韓国と中国の2チームも手強い相手と予想されます。韓国は昨年の世界女子ユース選手権(北マケドニア)で優勝を飾るなど、タレントが揃っている世代で、日本の最大のライバルになることは間違いないでしょう。中国は、チームごとハンガリー国内に身を置き、強化を続けているという情報があり、河合監督も警戒を強めます。中国は準決勝以降の対戦になりますが、韓国は1次リーグ最終戦で顔を合わせるため、そこまでに白星を重ねて2位以内を確保しておきたいところでしょう。
世界女子ジュニア出場権獲得、そしてアジアの頂点をめざして、女子ジュニア代表は6月30日から大会に臨みます。
大会に出場するメンバーは以下の通りです。
【アジア女子選手権選手団】
〈選手〉
※背番号、名前、所属、身長、ポジション、利き腕の順
No.2 溝淵 那月
大体大2年/167cm/PV/右
No.3 高来 葵美
大体大2年/166cm/BP/右
No.5 井上 あすか
国士大1年/168cm/PV/右
No.6 小山 歩夢
東女体大1年/163cm/RW/左
No.7 水谷 美海
東海大1年/170cm/PV・RW/左
No.8 橋本 真緒
筑波大1年/170cm/BP/右
No.9 六川 歩美
筑波大1年/176cm/BP/右
No.10 紺谷 利紗
筑波大1年/167cm/BP/左
No.11 東 瑚華
大体大1年/156cm/RW/左
No.12 小林 礼実
大体大1年/173cm/GK/右
No.13 奥村 由紗
東海大1年/167cm/BP/右
No.14 小林 杜子
筑波大1年/163cm/BP/右
No.15 佐々木 彩華
日体大1年/171cm/LW/右
No.16 北林 梨里
小松市立高3年/161cm/GK/右
No.17 寺田 和佳
大商大堺高3年/165cm/LW/右
No.19 外口 若奈
筑波大2年/170cm/BP/左
No.21 水野 真歩
筑波大1年/162cm/PV/右
No.29 堀内 雪羽
昭和学院高3年/170cm/GK/右
〈スタッフ〉
チームリーダー:小川 至門
監督:河合 哲
コーチ:新井 翔太
GKコーチ:飛田 季実子
トレーナー:柴田 智仁
ドクター:清水 隆昌
アナリスト:河合 辰弥
【日本戦日程】
・1次リーグ
6月30日(金)14:00〜(15:00〜) 対カザフスタン
7月1日(土)16:00〜(17:00〜) 対香港
7月2日(日)12:00〜(13:00〜) 対クウェート
7月4日(火)18:00〜(19:00〜) 対韓国
※上位2チームが準決勝(7月7日)に進出。時間は現地時間。カッコ内は日本時間