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全員が初めての国際大会挑戦 女子ユース代表18人がインド入り


男子ジュニア代表(U-21)、女子ジュニア代表(U-20)に続き、女子ユース代表(U-18)が、7月15日にインドで開幕する第10回アジア女子ユース選手権に挑みます。

初めて年代別代表の指揮をとる張素姫監督(富士大女子部監督、元韓国代表)は、センバツ優勝校の白梅学園高(東京)や準優勝校の佼成女高(東京)など、今季の高校女子球界を引っ張っているチームを中心に18人を選出しました。「(将来を見据えて)日本代表で活躍できる大きい選手も育てたい」という張監督の意向もあり、キャプテンの中尾藍(洛北高)ら、170cmオーバーの選手が9人という布陣で臨みます。

初めて日本代表のユニフォームに袖を通し、大会への士気が上がっているアジア女子ユース代表

 

女子ジュニアと同じく前回大会(2022年3月、カザフスタン)は不参加だったため、2大会ぶりの出場です。また、コロナ禍の影響もあり、今回選抜された選手全員が年代別代表は初経験。司令塔の佐茂春陽(白梅学園高)が「海外チームと戦うことがまず想像できない。すごく不思議な感じ」と話したように、右も左もわからない状態からのスタートでした。それでも7月10日から行なわれた第3回強化合宿に入るころには「チームがどんどん本気モードになって、ここでグッと波に乗って大会に臨もうというこちらの意図を選手たちもわかってくれて、いい感じに仕上がっている」(張監督)。

張監督がめざすのは、攻守にわたって大型選手のサイズを有効活用しつつ、小柄な選手も加えて足を活かしたプレーを展開すること。大会直前の合宿では東女体大の胸を借り、最終調整を行ないました。最初こそ大学生たちのプレッシャーに思うようなプレーをさせてもらえなかった選手たちでしたが、試合を重ねるにつれて相手の勢いに慣れ、センター中村真心(昭和学院高)の思い切りのいいカットインなど、彼女たち本来のよさが出るようになってきました。

また、体格のいい選手が揃う中国を念頭に、アグレッシブな5:1DFにも挑戦。3枚目に入った中尾は「(DFが)前に出ている分、コミュニケーションがより大切になってくるがまだ足りない。自分がつねに声をかけながら、ポストに対してのマークを厚く、さらに、もっとボールに寄ってしっかり相手にプレスしていくDFをしていきたい」と、改めて自分たちの現状を見つめ直すいい機会になったようでした。

鋭いカットインでDFの間を割っていく中村。大会でもキープレーヤーとなりそうだ

 

アジア女子ユース選手権は、来年開催予定の世界女子ユース選手権の予選を兼ねており、上位4チームに世界選手権への出場権が与えられます。今大会は当初12チームで争われる予定でしたが、3ヵ国が出場辞退したため、9チームで行なわれることに。2組に分かれて1次リーグを戦ったあと、各組上位2チームが準決勝に進みます。そのため、1次リーグを突破すれば、世界選手権出場が決まります。

日本は開催地のインドをはじめ、台湾、バングラデシュ、香港と同じB組に入りました。女子ユース代表がめざすのは「優勝」(張監督)。そのためには、まずB組を首位通過することが大きなポイントです。実力は日本が頭1つ抜けていると見られますが、蒸し暑く、食事も大きく異なるインドでの開催であり、台湾との初戦から休みなく3連戦と、慣れない中で厳しい日程になりました。だからこそ「だれが入っても精度も落ちないように、全員で戦えるようにみんなで意識している。そうやって(連戦を)乗り切りたい」と、中尾は力強く意気込みを語りました。

日本のライバルになるであろう中国と韓国とは、準決勝以降での対戦になります。「1次リーグは中国、韓国と別のグルーブになれたのはラッキー。これは絶対に活かしたい。ただ、両国は1次リーグで対戦するチームより強いので、準決勝以降、それに選手たちがとまどわなければ、いい勝負ができるはず」と張監督。とくに、母国・韓国との対戦を楽しみにしているようすでした。

本職ではない左サイドを任され奮闘中の木尾珠里奈(白梅学園高)は「強気なプレーで、ひるまずに点を取りにいける頼れるサイドプレーヤーになって戻ってきたい」とコメント。安定感があると張監督からの信頼も厚い松本優萌(佼成女高)は「初めての場を楽しんで自分の力を出しつつ、仲間を活かすプレーもしたい。最後まで全力でがんばる」と話すなど、初めての国際大会に向けて選手たちは気合い充分です。

大会に出場するメンバーは以下の通りです。

 

【アジア女子ユース選手権選手団】

〈選手〉
※名前、所属、身長、ポジション、利き腕の順

No.1 藤原 ひらり
不来方高3年/170cm/GK/右

No.2 安ケ平 優衣
不来方高3年/167cm/BP/右

No.3 中尾 藍
洛北高3年/174cm/PV/右

No.4 疋田 彩香
佼成女高3年/156cm/RW/左

No.5 杉山 日菜
昭和学院高2年/174cm/RW/左

No.6 佐茂 春陽
白梅学園高2年/167cm/BP/右

No.9 高橋 あおい
富岡実業高2年/170cm/BP/右

No.10 松本 優萌
佼成女高2年/167cm/BP/右

No.11 河上 亜里沙
千原台高2年/158cm /BP、RW/左

No.12 多田 陽南子
白梅学園高3年/183cm/ GK/右

No.13 瑞慶山 ゆり
コザ高2年/170cm/BP、RW/左

No.14 中村 真心
昭和学院高2年/162cm/BP/右

No.15 加藤 真央
昭和学院高2年/177cm/PV/右

No.16 石黒 櫻子
白梅学園高2年/164cm/GK/右

No.17 阿部 楓
聖和学園高2年/163cm/BP、PV/右

No.18 木尾 珠里奈
白梅学園高2年/164cm/LW、BP/右

No.19 齋藤 史歩
昭和学院高2年/170cm/LW/右

No.21 尾崎 羽南
高水高2年/171cm/GK/右

 

〈スタッフ〉
チームリーダー:石川 浩和
監督:張 素姫
コーチ:石立 真悠子
GKコーチ:小松 理子
ドクター:浅井 一希
トレーナー:石井 彩子
アナリスト:田口 真夕

 

【日本戦日程】

・1次リーグ
7月15日(土)17:00~(20:30~) 対台湾 ※7/14試合時間が変更になりました
7月16日(日)14:00~(17:30~) 対香港
7月17日(月)16:00~(19:30~) 対バングラデシュ
7月20日(木)18:00~(21:30~) 対インド
※上位2チームが準決勝(7月22日)に進出。時間は現地時間。カッコ内は日本時間