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【彗星ジャパン】カタールに敗れて準優勝に終わる〈アジア男子選手権〉


第21回アジア男子選手権は、現地時間の1月25日18時半(日本時間25日24時半)から日本男子代表・彗星ジャパンとカタールによる決勝が行なわれました。

カタールとは今大会、メインラウンドで一度対戦し、その際はリードを許しながらも日本がラストプレーで追いついて、28-28の引き分けに持ち込んでいました。

メインラウンド2戦目のアラブ首長国連邦(UAE)戦で準決勝進出と来年1月の第29回世界男子選手権(クロアチア、デンマーク、ノルウェー共催)出場を決めて以降、ダグル・シグルドソン監督は元木博紀、笠原謙哉、GK中村匠と主力メンバーをベンチ外として、それまでの出場機会が少なかった選手を主体に戦って経験を積ませる方向に転換。

そのうえで準決勝では開催地のバーレーンを20-17で下して、20年ぶりとなる決勝へとコマを進めていました。

そのため、勝てば1979年の第2回大会以来3度目の優勝となるこの決勝では、どんな顔ぶれで臨むのかが注目されました。

渡部仁、部井久アダム勇樹以外には、メインラウンドのカタール戦やバーレーン戦同様に、GK坂井幹、北詰明未、髙野颯太、蔦谷大雅、田代翔真、DFで玉川裕康が先発。

カタール側は、久々に代表に復帰し、メインラウンドの日本戦ではベンチ外だった長身左腕のザルコ・マルコヴィッチが登場。守ったと思ったところから、強烈なシュートを打ち込まれてゴールを奪われます。

守備も中央の集中力が高く、ただでさえ連携がまだ不足している日本OFは、そのプレッシャーに負けてシュートに持ち込む前のミスがあったり、シュートも苦しまぎれのものが多かったりと、思うように得点できません。

渡部仁、部井久の連取で、開始3分までに2点を取りますが、3点目はなんと前半14分。

このあとも、日本は連続得点がないまま11-17で後半へ。ハーフタイムが終わっても流れは変わりません。

カタールは昨年10月のオリンピック予選で準決勝敗退の悔しさもあってか、このタイトルにかける気持ちの強さも充分で、日本はベンチ入りメンバーを総動員するものの状況を覆すことができません。7人攻撃なども仕掛けますが、前半の点差を縮められずに、24-30でタイムアップを迎えました。

20年ぶりに決勝の舞台に立った彗星ジャパン(©JHA/Yukihito Taguchi)

20年ぶりに決勝の舞台に立った彗星ジャパン(©JHA/Yukihito Taguchi)

 

【カタール戦・日本得点者】

蔦谷・吉田守一:5点、部井久:3点、泉本心・富永聖也:2点、杉岡尚樹・徳田新之介・渡部・玉川裕康・東江雄斗・榎本悠雅・髙野:1点

大会個人表彰選手たち。日本からは部井久(後列左から4人目)と吉田(後列左から5人目)が受賞した(©JHA/Yukihito Taguchi))

大会個人表彰選手たち。日本からは部井久(後列左から4人目)と吉田(後列左から5人目)が受賞した(©JHA/Yukihito Taguchi)

 

シグルドソン監督は試合後、「今日は相手がとてもいい試合をしたので、われわれにとっては難しい展開となった。自分たちもシュートミスや技術的なミスを重ねてしまって、ベストを尽くしたとは言いがたい試合になった」と敗戦の弁を述べる一方で、「この短い期間で3つの大きな大会(アジア大会、パリ・オリンピックアジア予選、アジア選手権)をこなすことは大変だったので、2位という結果には満足している。とくに準決勝で開催国のバーレーンを破ったことは誇るべき結果」と振り返りました。

45年ぶりとなるアジア選手権優勝はなりませんでしたが、安平光佑の負傷離脱というアクシデントがありながらも、オリンピック出場権を勝ち取ったメンバーを中心に、大会後半に、これまでサブだった選手を長く使えたことは底上げにつながったはず。

ハンドボールのオリンピック選手団は、ほかの国際大会とは違い、全部で14人と、その門は狭いもの。選手層が底上げされているということは、裏を返せばそれだけ競争が激しいということでもあります。

これからの半年間は、合宿や遠征、テストマッチを繰り返しながら、その選考に入っていくことになります。