「西ドイツ」来日シリーズ
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にしどいつらいにちしりーず
日本のハンドボールに大きな影響を与え、興奮を呼んだシリーズ。56年9月16~30日、前年の第4回世界男子11人制選手権優勝国として来日、全日本と2試合のほか、国内各地で8試合を行なった。ハンドボールの祖国からの使者、そして世界チャンピオン。長身者を揃えたスケール大きい攻撃、シングルハンドでのボール操作、全員の走力、強肩、すべてが国内愛好者の目を見はらせた。型にはめこまれた日本のトレーニングと異なり、各選手が思い思いに、のびのびと動く姿も新鮮だった。
特筆すべきは、全8戦にのべ16万人の観衆が詰めかけたことで、日本ハンドボール界の前途に自信を抱かす事業となった。だが、この時すでに国際的な流れは「室内(7人制)」へ大きく傾いており、西ドイツの魅力が、以降の発展に寄与することは限られてしまった。