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【東京オリンピック】男子決勝プレビュー 連覇か王座奪還か


7月24日に始まった東京オリンピックも、いよいよ残すところあと2日となりました。

男子は今日、8月7日に決勝戦を迎えます。1次リーグ、決勝トーナメント1回戦、準決勝を勝ち上がり、最後の舞台に立ったのは、ディフェンディングチャンピオンのデンマークと、史上初となる4大会連続の決勝進出を果たしたフランスの2ヵ国。奇しくも5年前のリオデジャネイロ大会決勝(2016年)と同じ組み合わせになりました。

王者デンマークは現在、世界男子選手権2連覇中(19、21年)で、大会前から優勝候補の一角にあげられていました。そして、その前評判通りに勝ち進んでいきます。

初戦となった日本とのゲームでは47点を奪いスタートダッシュに成功すると、その後も洗練された攻守で勝ち星を積み重ねてきました。

1次リーグ最終戦のスウェーデン戦はDFの要・アンダーソンがケガで欠場したこともあり、30-33で落としましたが、決勝トーナメントではそのアンダーソンが復帰。2枚目で相手バックにプレッシャーをかけたり、3枚目をフォローする彼の献身的な動きで、DFの安定感が増しました。N・ランディン、モラーのGKコンビも鉄壁で、そう簡単には崩れないでしょう。

OFはエースのM・ハンセンを軸に、センター・ホルム、右バック・ギゼルの若手コンビが多彩な攻撃で相手DFを突破してきました。そしてデンマークOF最大の特徴は、個々の判断力の高さ。さまざまなタイミングで、時には止まった状態でパスを受けますが、どんな状態からでも的確に相手DFのズレを突くOFは必見です。

対するフランスは、1次リーグで左バックのヌグッサンが負傷し登録を外れるアクシデントがありましたが、ヒザの大ケガからカムバックしたN・カラバティッチが好調です。N・カラバティッチのほか、左サイドのギグー、右サイドのアバロら北京大会(08年)、ロンドン大会(12年)の金メダルを知るメンバーが多く、オリンピックでの経験値ではデンマークを上回ります。

さらに右バック・メム(23歳)、センター・レミリ(26歳)の左利きコンビ、25歳のポスト・ファブレガスら中堅、若手も伸びのびとプレーします。

準決勝ではL・カラバティッチ、守護神ジェラールを中心としたDFでエジプトに快勝。2mのポスト・トゥルナ、7mT職人デカらも活躍し、いいチーム状態で勝ち上がってきたと言っていいでしょう。

2大会連続の金メダルをめざすデンマークと、前回大会のリベンジに燃えるフランス。ハイレベルなプレーを見せる両国の対戦は、オリンピックの決勝にふさわしいゲームが見られることは間違いありません。

勝敗を分けるポイントをあげるとすれば、DF。セットDFで簡単にシュートを打たせないことが重要で、とくに今大会は、相手につかまれたあともボールをつないでくるチームが多く、DF側としては審判が笛を吹くまで気が抜けません。ボールを簡単につながせないDF、という点に注目です。

金メダルをかけた男子決勝戦は8月7日21時スローオフ。

また、準決勝で敗れたエジプト、スペインは同日17時からの3位決定戦で銅メダルをかけて戦います。