rss
  • Home  »   » 
    • 「結果にこだわるチーム作りを」おりひめジャパン楠本新監督就任記者会見 | ハンドボール界唯一の月刊専門情報誌『スポーツイベント・ハンドボール』
News

「結果にこだわるチーム作りを」おりひめジャパン楠本新監督就任記者会見


日本女子代表・おりひめジャパンの新監督に大体大女子部監督の楠本繁生氏が就任したことを、先日発表した日本ハンドボール協会は、10月18日に就任記者会見を開きました。

会見には楠本新監督をはじめ、湧永寛仁日本協会会長、平林義規日本協会専務理事が出席し、監督就任の経緯などを語りました。

2016年から代表監督を務めたウルリク・キルケリー監督の任期満了に伴い、日本協会は湧永会長をトップとして監督選考をスタート。

日本協会の強化部、海外有識者、情報科学選考委員会のメンバーに加え、前監督・キルケリー氏のアドバイスも受けながら選考を進め、海外も含めた複数の候補者をリストアップしました。

その中から今後の強化方針と照らし合わせて最終的に楠本氏を選定し、最終的に合意に至りました。任期は2024年のパリ・オリンピックまで。代表活動が優先となるものの、代表専任ではなく大体大女子部監督との兼任となります。

 

湧永会長は会見冒頭で「2016年からキルケリー氏に代表監督を依頼し、18年のアジア選手権は2位、19年の世界選手権は10位とおりひめジャパンの地力はついてきた。東京オリンピックでは12位だったが、順位自体は紙一重だったと思っているし、45年ぶりにオリンピックで勝利をあげることができた。

しかし、まだまだだと思っている。次のパリ・オリンピックはアジア予選、または、世界最終予選(OQT)を自力で突破しないと参加できない。2ヵ月後に控えている世界選手権(12月/スペイン)は、24年のパリ・オリンピックに向けた再スタートであると認識している。

そこで、これまで(高校・大学と)類を見ない強化をしてきた楠本氏に監督を依頼した。(楠本氏の所属先・大体大を運営する)浪商学園には理解をいただき、並々ならぬ感謝をしている。大学と兼務しながら代表監督として手腕をふるってもらいたい。協会としても全面的にバックアップしていく」と、楠本監督への期待を口にしました。

続いて楠本氏が監督就任への思い、そして、開催が迫ってきている世界選手権への意気込みを述べました。

楠本新監督(写真)のもとで、パリ・オリンピック出場権獲得なるか

楠本新監督(写真)のもとで、パリ・オリンピック出場権獲得なるか

 

「日本協会からの依頼を受け、大学とも相談のうえ、『名誉なことなので(大学側も)バックアップする』と言ってもらえたので承諾した。

12月の世界選手権は、就任したばかりで時間との戦いになるが、まずは(前回大会での)10位以上を目標に、個の力を最大限に活かしながら、『シンプルイズベスト』なチーム戦術で挑みたい。

東京オリンピックはケガ人などのアクシデントもあって12位と残念な結果になったが、そういう悔しさを日本のハンドボールに関わっている方は感じていると思うので、その思いを次の世界選手権、パリ・オリンピックに向けてのチーム作りに活かせたら」

楠本新監督の就任が決まったばかりでスタッフ、選手の選考はこれからですが、12月の世界選手権に向けて急ピッチで準備が進められ、早ければ10月末には新体制初となる合宿が行なわれる予定です。

「目の前にある大会に最善を尽くして、とにかく結果にこだわるチーム作り」を理想に掲げる楠本新監督は、選手選考基準について「東京オリンピックを見て、ケガ人が出ると、監督が理想とするゲーム展開ができないのかなと感じたので、2つのポジションをこなせる選手を多く起用したい」と語りました。

女子代表は東京オリンピックを区切りとしていた選手も多いだけに、代表チームの顔ぶれは大きく変わってくることでしょう。高校、大学合わせて約30年指導にあたり、高校3冠、全日本インカレ7連覇など、数々の実績を残してきた楠本新監督が、今度は日本代表をどのように導いていくのか。その手腕に注目です。