大一番へ意気込み語る 第46回JHLプレーオフ女子記者会見
3月18日から20日にわたって開催される「ANA CUP 第46回日本ハンドボールリーグプレーオフ」に向けて3月14日、出場する女子4チームの監督、選手が揃い、オンライン記者会見が行なわれました。
今回のプレーオフもステップラダー方式が採用され、1stステージではレギュラーシーズン3位と4位が激突し、勝ったチームが2位チームとの2ndステージへ。最終日に、2ndステージの勝者とレギュラーシーズン1位のチームがFINALで頂点をかけて争うことになっていましたが、今日、3月15日、日本リーグは、2位・ソニーセミコンダクタマニュファクチャリングの選手に新型コロナウイルスの陽性者が出たことから、女子2ndステージの中止を発表しました。詳細はこちらの記事をご確認ください。
女子は7連覇中の女王・北國銀行が18戦全勝で堂々の1位通過。シーズン前に主力が相次いで移籍しましたが、新司令塔・相澤菜月を中心に白星を積み重ねました。
最終戦でプレステージ・インターナショナル アランマーレに勝利し、2位に浮上したのソニーでしたが、上記の通り、2ndステージは中止に。
3位に入ったのはオムロン。開幕から3連敗という苦しいスタートでしたが、韓国代表・李美京が加入してから追い上げて3シーズンぶりの出場を決めました。
そして年明けからケガ人に苦しみながらも、三重バイオレットアイリスとのし烈な争いを制したイズミメイプルレッズが4位となりました。
会見では今シーズンの振り返りと、プレーオフに向けての意気込みが各チームの監督、選手から語られました。
※ソニーは出場しませんが、コメントを掲載します。
・レギュラーシーズン4位 イズミメイプルレッズ
中山剛監督
「今シーズンが始まり、最初の試合のあとに期間が空きすぎて、序盤に流れをつかむのがかなり難しい状態だったのは確か。逆に終盤は試合が詰まった状態になってしまったうえに、(年明けの)日本選手権以降、ケガ人が相次いでペースダウンしてしまった。その分、若い選手たちががんばってくれたので、4位ではあるが滑り込めた。(プレーオフの)チャンスがつかめたことについては、ありがたく思っているし、逆にまた最後に試合ができるということで、選手たちには(前向きに)言い聞かせている。
プレーオフはチャレンジするというのが、われわれのつねなので、選手の能力を思う存分発揮する集大成ということで、3試合やるつもりで東京に乗り込みたいと思っている」
堀川真奈
「中山監督も言われた通り、今季は苦しい時間が多かったが、私たちの『百万一心』というスローガンの通り、全員で戦うことができた。プレーオフでは、チャレンジャーとして3試合戦いたい」
・レギュラーシーズン3位 オムロン
水野裕紀監督
「今シーズンは新型コロナウイルスの影響や、ケガ人がいて、なかなか選手が揃うことがなく、3連敗と苦しいスタートだったが、全員揃ってから巻き返せたので、プレーオフに行くことができた。久しぶりのプレーオフだが、このメンバーでできる試合は多くて3試合。1つずつ駆け上がって頂点めざしてがんばりたい」
石井優花
「今シーズンは3連敗で始まる苦しいシーズンだったが、チーム全員の力で後半に勝利を重ねてプレーオフに出場できた。3試合は厳しい戦いになるが、目の前の試合に一戦一戦に集中して、優勝めざしてがんばりたい」
・レギュラーシーズン2位 ソニーセミコンダクタマニュファクチャリング
大城章監督
「昨シーズンは3位でプレーオフに進出してFINALまで行けたが、2連戦を戦っての北國銀行とのFINALでは、選手たちは精いっぱいやったが及ばなかった。その反省で、今シーズンは1つでもいい順位でプレーオフを迎えようとやってきた。チームとしては若手を積極的に使いながら底上げをしてきて、好順位で(プレーオフに)進むことができた。
シーズン後半、波に乗れない試合もあったが、チーム一丸となってプレーして、昨シーズンより1つ上の順位でプレーオフに臨めるので、1つの試合に集中しながら頂点をめざしてチーム一丸となってがんばりたい」
青麗子
「今シーズンは大きなケガがなく、全員でレギュラーシーズンを戦い抜けたのは大きな成果だった。(昨シーズンよりも)1つ上の順位でのプレーオフ進出ということで、今シーズンこそは優勝をめざして戦いたい」
・レギュラーシーズン1位 北國銀行
荷川取義浩監督
「まず、今シーズンを振り返ると、東京オリンピック後に主力4人の移籍があって、大変厳しいスタートになるかと思ったが、キャプテンの角南を中心に、試合ごとにベテランがチームをまとめてくれて、なんとか(レギュラーシーズンを)無敗で終えられたのはよかった。
FINALだけの難しさはあると思うが、レギュラーシーズンでやってきたことを出してこのチームでの最後の試合を勝って優勝したい」
角南唯選手
「新型コロナウイルスの影響で制限がある中で戦い、負けなしでレギュラーシーズンを1位通過することができたが、勝ち続けられるのは、応援してくれる方、支えてくれる方のサポート(バックアップ)があるからこそだと思う。そういった方々への感謝を忘れずにFINALを戦いたいし、どのチームが上がってきてもやることは変わらないので、目の前の60分間に集中して戦い、優勝したい」
また、このあとに質疑応答が行なわれました。
Q:イズミの中山監督へ。プレーオフで勝てていないが、そこへの対策は?
イズミ・中山監督
「実際に勝てていないので、北國を止めていくために、2位以下のチームがしのぎを削っているところ。自分のチームの一番の色、いい部分をどれだけ出せるか、相手のいいところをどれだけつぶせるか。まずオムロンとの対決になるが、(オムロンの)OFがよくなっているので、そこを(DFで)どうつぶせるかが最初になってくる。あとは状況を見て。3試合戦えるだけのスタミナを持って臨みたいと思っている」
Q:各チームの監督へ。今シーズンのMVPと、プレーオフで期待する選手は。
イズミ・中山監督
「ケガ人が出たあと、みんなががんばってくれたというのはあるが、秋山(静香)は自身のケガもありながら、近藤(万春)らのケガのあとにチームを奮い立たせてくれた1人。また、チームをまとめるという部分では、GK板野(陽)がやはり相手のシュートを止めるというところでやってくれて、チームを締めてくれた。
プレーオフではすべての選手を使いたいと思っている。どの選手にも期待している」
オムロン・水野監督
「レギュラーシーズンのMVPを1人選ぶのは難しい。毎試合みんなががんばってくれていたし、ホームゲームでもMVPを選出していたが、毎回違う選手が選ばれていて、そこが今季のいいところだと思う。ただ、しいて言うなら李美京。彼女がチームに入ってから活性化したし、プラスになる部分がOFでもDFでもあったと思う。チームがいい方向に向かった要因の1つ。
プレーオフでは、キャプテンの石井にはつねに期待しているし、すでに引退を表明している永田(しおり)が、最後にどこまでチームをまとめてやってくれるかというところにも注目している。そこはぼくも楽しみにしながら、一戦一戦を戦っていきたい」
ソニー・大城監督
「レギュラーシーズンのMVPはキャプテンの角南(果帆)。彼女のチームを統一する力や、パーソナリティーを含めて取り組む姿勢は周囲に大きな影響を与えてくれた。チームにとって大きい存在。数字で言うとシュート率賞を取った服部(沙紀)の活躍は大きいし、彼女に得点させるために多くの選手がサポートしているので、いいレギュラーシーズンだった。
プレーオフは総力戦。だれがではなく、1人ひとりががんばることが大事だと思うし、(チーム全員に)期待しているので楽しみ」
北國・荷川取監督
「みなさんと同様にレギュラーシーズンのMVPを選ぶのは苦労するが、しいてあげるなら相澤(菜月)。新人ながら、得点のみならず、アシストでも貢献してくれた。
プレーオフに注目選手は1人というよりも全員をあげたい。とくに角南を中心に塩田(沙代)、河田(知美)とベテランが中堅を引っ張り、若手を伸びのびと戦わせる雰囲気を出してもらい、最後に全員がMVPだと言えるような試合をしたい」
Q:オムロンの2人へ質問。永田が今シーズンで引退するが、そこについてチームとしてどう思っているか。また彼女のコンディションと起用方法は。
石井
「長年、チームを支えてきてくれた選手なので、さみしい気持ちはあるが、いろいろなことをチームにもたらしてくれた分、恩返しという気持ちで優勝をプレゼントしてあげたいと思っている」
水野監督
「永田のコンディションは正直、いいとは言えないのが現状だと思う。彼女もここまで現役として十数年やってきて、(全盛期より)今は動かないこともあると思うが、そこは経験値でカバーしている。チームの大黒柱としても支えてくれている。
起用法は(レギュラーシーズンから)とくに変わったことはない。いつも通りDF、OFともにがんばってもらっている」
女子のプレーオフ試合日程は以下の通りです。
〈1stステージ〉
3月18日18:10~ オムロン-イズミメイプルレッズ
〈2ndステージ〉※中止
〈FINAL〉
3月20日14:10~ 北國銀行-1stステージ勝者
なお、全試合JHLtv(YouTube)でライブ配信が行なわれ、18日の1stステージ、19日の2ndステージ(男子のみ)は有料配信(現メンバーシップ登録)、20日のFINALは無料配信となります。
会場は、初開催となる武蔵野の森総合スポーツプラザです。
そのほか詳細はプレーオフ特設サイトをご覧ください。