最後に笑うのはどのチームか 第46回JHLプレーオフ男子記者会見
3月13日にレギュラーシーズンを終えた第46回日本リーグ。そして、今週末の3月18日から20日に「ANA CUP 第46回日本ハンドボールリーグプレーオフ」が開催され、今シーズンのチャンピオンが決まります。
男子は王者・豊田合成がレギュラーシーズンを1位で通過。年明け後、新型コロナウイルスの陽性者が出て練習ができなくなったこともあり失速しましたが、最後はしぶとく勝点を拾っていきました。トヨタ車体と勝点33で並び、対戦間成績(1勝1敗)、対戦間得失点差も同じでしたが、総得失点差で車体を1点上回り、FINAL行きのチケットを手にしました。
わずかに及ばなかった車体が2位でプレーオフへ。昨年11月から怒涛の11連勝で一気に順位を上げてきました。2ndステージからの登場となります。
3位には、シーズン前に大型補強で選手層を厚くし、さらに元・フランス代表で東京オリンピック金メダリストのアバロ(フランス)が加わったジークスター東京がランクイン。参戦2シーズン目ながらプレーオフ初出場となります。
4位は大崎電気。ここ2シーズン、主力が移籍し、さらに1年を通してケガ人も多い状況で、やや浮き沈みがありましたが、勝つべきところでしっかりと勝ち、勝点2を積み重ねてきました。
大一番を前にした3月14日、プレーオフへ出場する4チームの監督、選手による記者会見(オンライン)が行なわれ、それぞれが今シーズンの振り返りと、プレーオフに向けての意気込みを口にしました。
・レギュラーシーズン4位 大崎電気
岩永生監督
「まず、今シーズンを振り返ると、多少の中止、延期がありながらもレギュラーシーズンを終えられたのは、日本協会、JHL、各都道府県協会の方のおかげだと思っている。この場で感謝したい。ありがとうございました。
今シーズンは移籍などでチームの人数が減り、ケガ人も多く、全員が揃って(練習、試合)ということがなかなかなかった。4位という結果ではあるが、1位を狙えるプレーオフに出場できてよかった。4位なのでチャレンジャーとして、1つずつチーム一丸となって戦って、下剋上を果たしたい」
元木博紀
「今シーズンの振り返りとしては、終盤に負けが続いてしまい、4強の2つに負けてしまった。(ケガ人などで)選手がいない中で苦しい戦いが続いていたが、プレーオフという大きな舞台でしっかり結果を残せるように、大崎電気のチーム力を発揮してがんばりたい」
・レギュラーシーズン3位 ジークスター東京
横地康介監督
「まず、コロナ禍で大変な中、最後までシーズンを終えることができたのは、関係者のみなさんのおかげ。ありがとうございます。
オリンピックがあったり、コロナの影響でというのはほかのチームも同じだが、なかなか全員揃って集中してトレーニングする機会がなく難しいシーズンだった。それでも3位で最初に目標としてきたプレーオフ進出を果たせたのはよかったと思う。
チームとしては初めての出場となるので、なにも恐れることなく、相手にぶつかっていくだけ。臆せずチャレンジャーとして戦っていきたい」
東長濱秀希
「目標だった1位通過には届かなかったが、チームとして初のプレーオフ出場ができたので、最低限(の目標)は果たせた。優勝するためには3試合を戦わないといけない。まずは1試合1試合に集中して、そして3試合戦えるように残り短い時間の中でやっていきたい」
・レギュラーシーズン2位 トヨタ車体
門山哲也監督
「ほかの監督も言われていたように、このような状況の中、レギュラーシーズンが終わり、プレーオフに出場できて本当にうれしく思っている。ありがとうございました。
(今シーズンを振り返って)昨年の試合では、負けが続く時期もあってあまり状態がよくなかったが、年明けからチームがまとまって、上位対決で勝つことができ、2位で終えることができた。
チーム状況はすごくいいので、(優勝するために)2試合はあるが、戦えることを楽しみに思っている。その中で自分たちらしい戦いがどれくらいできるかが楽しみ。チーム一丸となって戦いたい」
杉岡尚樹
「レギュラーシーズンの振り返りとしては、中盤にかけて負け、引き分けと苦しい時期が続いていたが、終盤にかけてチームとしても選手個人としても成長が見られたからいい戦いができた。
まだ完成形ではないと思うので、2ndステージをしっかりと勝って、昨シーズンできなかった優勝という最大の目標にチャレンジしていきたい」
・レギュラーシーズン1位 豊田合成
田中茂監督
「各監督が話しているように、厳しいコロナ禍で大会が開催されたことに感謝している。年明けにはスケジュールがタイトになった。日程変更を許諾してくれたチームにも感謝申し上げる。
今シーズンは、年明けにケガ人、コロナの影響でチーム練習がストップしたことへの不安はあったが、1位通過することができたので、総合力で最終決戦に力を発揮したい」
小塩豪紀
「まず、今シーズン(のレギュラーシーズン)20試合をしっかり戦い抜けたことはよかった。また、日程変更に協力してくれた対戦チーム、運営の方々に感謝申し上げたい。
プレーオフ2連覇をめざせるのは合成だけ。そこにめがけてチーム一丸となって戦っていきたい」
このあと、質疑応答が行なわれました。
Q:1stステージを戦う両チームへ。レギュラーシーズンでは大崎の2戦2勝という結果を踏まえて、それぞれ勝つためのポイントを。
大崎・岩永監督
「リーグ戦で2勝、日本選手権で1勝と、負けなしではあるが、実力は変わらないと思っている。リーグ最終戦(山口での対戦)では、前半5点差で負けていて、後半に逆転した。それはGK木村(昌丈)がシュートを取ってくれたことが勝因になったが、紙一重のところだったと思うので、(1stステージでは)どちらが勝つかわからないと思っている。自分たちの力を出して東京に勝つことが第一関門なので、そこに全力を注ぎたい」
大崎・元木
「東京の選手は、昔からいっしょにやっていた選手がたくさんいる。お互いのクセがわかる試合展開になって、シュートが入らないなど、難しい展開になるかもしれないが、最後は精神面だと思うので、負けない強い気持ちをもって挑みたい」
東京・横地監督
「本当に今シーズンは大崎にやられっぱなしなので、プレーオフで同じシーズン中に(もう一度)対戦できることは楽しみ。
勝敗を分けるポイントは、元木選手の言った通り、気持ちの部分がすごく大きくなると思っている。あとはどれだけ大崎のやりたいハンドボールを封じ込められるか。最後は勝ちたいという気持ちだと思うので、そこだけは(大崎に)負けないように準備していきたい」
東京・東長濱
「対戦相手がどこであれ、リーグ戦の反省を活かして戦えば、結果はついてくると思っている」
Q:東京と大崎へ質問。(1stステージのある)18日は20時過ぎからの試合(20:10スローオフ)になるが、率直な思いを。
大崎・岩永監督
「20時からということで、観客がたくさん入れるための措置だと思うし、僕たち自身もたくさんのお客さんに観てもらえることはうれしいことなので、平日昼間でお客さんがいないよりは、気合いが入るので僕自身はよかったと思う」
大崎・元木
「遅い時間で観客はたくさん入ると思うが、選手は時間の調整、食事のタイミングをどうするかということはあると思うので、そういうところを僕発信で(整えて)全員で20時の試合に向けてやっていきたい」
東京・横地監督
「試合時間の部分に関しては、われわれは普段から夜にトレーニングすることも多いので、あまり影響はないと思っている。それよりも、1人でも多くのお客さんに観てもらいたいので、お客さん優先でいいのではと思っている」
東京・東長濱
「普段から練習時間が遅いので、開始時間に関してはとくになにも言うことはないし、平日なのでたくさんの人に見てもらえる方がいいと思う。次の試合のことを考えていたら大崎電気には勝てないと思うので、われわれは一戦一戦やっていくだけ」
Q:今シーズンからプレーオフの会場が、駒沢体育館から武蔵野の森総合スポーツプラザに変更になったことについて。
合成・田中監督
「会場に関してはリーグ側が決めることなので、とくにこちらから言うことはない。(事務局へ)1つ確認で、タラフレックスを引いての開催?(事務局:そうです) そこだけ確認できれば大丈夫」
車体・門山監督
「初めての会場なので、光の当たり具合などをチェックしなければいけないと思うが、気になるのはそれくらい。駅から近くてたくさんの人が来やすい会場というのが第一だと思うので、楽しみにしている」
東京・横地監督
「みんな初めてやる体育館で、条件は同じなのでその点は気にしていない。あとはたくさんお客さんが入ってくれれば、選手も気持ちが上がると思うので、楽しみにしている」
大崎・岩永監督
「ほかの監督と同様に、会場が違うことにとくに思うことはない。床やコートの広さなどのチェックはあると思うが、そんなに気にしてはいない」
Q:車体の門山監督へ。終盤の連勝の要因は。
門山監督
「シーズン終盤、年明けにチームが上向いた要因に関しては、やろうとしたことを選手たちにシンプルに伝える、そして選手たちが体現してくれたことが大きい。こう守る、攻める、速攻へはこうと、簡潔に伝え、選手たちが意識して取り組んでくれ、結果につながった。追加登録の選手を含めて22人いるが、それぞれが個々の役割を把握して、杉岡キャプテンのもと、まとまってくれているのも大きな要因だと思っている」
Q:全チームの監督へ。プレーオフで注目してほしい選手、活躍をしてほしい選手は。
大崎 ・岩永監督
「キャプテン元木の活躍なくしては勝てないと思っている。キャプテンとして、エースとしてと役割はいっぱいあるが、このチームを勝たせてほしい」
東京・横地監督
「活躍を期待している選手はGKの甲斐(昭人)。今シーズン、シュートセーブ率のタイトルを取ったし、苦しい時には彼のセーブに助けられてきた。プレーオフでもそういったセーブを見せてほしい」
車体・門山監督
「1人に絞るのはなかなか難しいが、しいてあげるならこういう大きい(短期の)大会で重要なのは、GKが当たることだと思う。もちろん、中央DFの菅野(純平)、山田(信也)、岡元(竜生)の3人とGKが活躍してくれればDFが締まるし、それをつないで杉岡、吉野(樹)の速攻へ、という部分に期待している」
合成・田中監督
「GK中村(匠)に期待している。うちはDFを中心に取り組んできたチームなので、DFの要として、そしてそこからOFに転じるキーマンになってくれればと思っている」
プレーオフ開幕まで残り4日。果たして、今シーズンはどのようなフィナーレが待っているでしょうか。
男子の試合スケジュールは以下の通りです。
〈1stステージ〉
3月18日20:10〜 ジークスター東京−大崎電気
〈2ndステージ〉
3月19日17:10〜 トヨタ車体−1stステージ勝者
〈FINAL〉
3月20日16:30〜 豊田合成−2ndステージ勝者
プレーオフは、全試合JHLtv(YouTube)でライブ配信される予定です。3月18日の1stステージ、19日の2ndステージは有料配信(現メンバーシップ登録)ですが、20日のFINALは無料で視聴可能です。
そのほか詳細はプレーオフ特設サイトでご確認を。