【vol.6、14年3月号】ブラジルの先導に続け
活況の世界女子選手権
もう1つ、IHFを喜ばせたのは、今大会の観客数がセルビアの健闘も手伝って終盤一気に伸び総数16万1167人(1試合平均1965人)をマークしたことだ。
11年世界女子選手権の閑散を引きずってリオ・オリンピックを迎えれば、ハンドボールのイメージダウンは避けられない。
停滞を脱け出し、頂点に立ったのがリオのホスト・ブラジルだ。
15年の世界女子選手権は最強ゾーン・デンマークでの開催、今から盛況が約束される。そのムードをリオへ持ち込み、ブラジルが金メダル争いに絡めば、会場の「セントロ・オリンピコ・ド・トレイナメントホールⅣ」は連日、高潮した雰囲気に包まれ、ハンドボールの声価が高まる。
ブラジルが勝てば、バルセロナ・オリンピック(92年)女子の韓国以来、24年ぶりにヨーロッパ大陸以外の金メダリスト誕生だ。
IHFが秘かに望むシナリオで、2回続けてヨーロッパを離れてのオリンピックとなる「東京」にも影響を与える。
日本(女子)には“本番”までに3回の世界選手権が用意される。当面、リオ出場が最大目標だが、世界選手権を「東京」へいかに結びつけるか、世界も注目する。しかも、19年の第24回大会は日本(熊本)開催だ。
世界のスポーツシーンでハンドボールが確固たる存在としてその位置を築けるか。ブラジルの先導を日本は無にできない。