北京(ペキン)オリンピックアジア予選再試合(再予選)
国際ハンドボール連盟は07年12月17日パリでの理事会で、07年8月アルマトイ(カザフスタン)で行なわれた女子、同9月愛知県豊田市で行なわれた男子の北京オリンピックアジア予選の全試合が担当した審判の資格、試合(大会)運営で著しく公平性を欠いたとして議論、採択(挙手)に持ち込み、多数決で両予選の結果を無効とする前代未聞の決議を行なった。
これにより男子クウェート、女子カザフスタンのオリンピック出場は白紙に戻され、国際ハンドボール連盟が「再予選」を実施するとした。アジアハンドボール連盟は激しく反発、「再予選」の開催を引き受けたり参加した場合、ペナルティを科すなどとした。
08年1月29、30日東京(国立代々木第一屋内競技場)で行なわれた「再予選」には男女とも日本、韓国のみが出場、いずれも韓国が勝ち、オリンピック代表権を手にした。
不当を訴え続けるアジアハンドボール連盟は2月中旬スポーツ仲裁裁判所(CAS、スイス)に持ち込み、3月19日ローザンヌ(スイス)で仲裁が行なわれた。その結果「再予選」の男子は有効、女子は無効と裁決されカザフスタンの北京出場が認められた。
「再予選」の異常さが内外メディアの関心を集め、とくに国内ではオリンピックイヤー初頭の事件として取り組まれた。かつてない「ハンドボール報道」が活字、電波メディアに躍り、フィーバーは1ヵ月以上に及んだ。
一般の興味も高まり「再予選」の女子は4206人、男子は10257人の観客が詰めかけた。
パフォーマンスプレース performance place
国際ハンドボール連盟が直近の大会の実績を基に大陸別に割り振る枠の数。実績出場枠、前回実績出場枠に同じ。対比はコンパルソリープレース(固定出場枠)。
フィシオテラピスト Physiotherapist
マッサージや特別な運動などを施す理学療法士。チームスタッフに加えられる。
プロンジョンシュート plungeion shoot
1958年からゴールエリアの“上空”におけるプレーが認められ、この空間に飛びこむ(plungeion)プレーが一気に開発、ハンドボールに立体的な面白さと、豪快、曲芸的魅力を生じさせた。野田清によるサイドからのダイビングシュートなどが代表的だ。倒れ込みシュートの技術も高度化している。
プレリミナリーラウンド preliminary round
原則として「予選リーグ」を指す。あるいは決勝リーグ前の「予選試合」。順位決定のための「予備試合」。
プレスカンファレンス press conference
記者会見。
プライベートトーナメント private tournament
クラブ、単独チームが主催して開く大会。ヨーロッパではフランスのUSイブリイによるシャレンジ・マーレーヌ、スイスのイエロー・ヴィンタースールによるイエローカップなど高名な国際大会が数多く行なわれている。
国内では県協会、市協会、日本リーグ加盟チームなどが主催する大会が増え、企業などスポンサーを得ているのが目立つ。