rss
HANDBALL A to Z
作成・杉山茂&スポーツイベントハンドボール編集部 2014.04.15Version
これまでハンドボール用語といえば規則(ルール)、技術・戦術用語が主でした。ハンドボールファンの拡大、内外情報の多彩化などで、用語は極めて多範囲となり、新たな解説が求められています。この企画はそうしたニーズに応えるものでスポーツイベント・ハンドボール誌(月刊)を読んでいただく場合の手引きともなります。外来語が多いためアルファベット順に日本語用語(ローマ字読み)と史上特筆すべき業績を残した内外のチーム、人物も加えました。年数は西暦、項目表記は英語系のみとしてあります。競技規則用語は「日本ハンドボール協会競技規則平成25年版(2013.12.16発行)」を参考にしています。1~2年ごとに追加、補充、修整など改訂を重ねていく予定です。個人の敬称略。
〈禁無断使用転載〉

A B C D E F G H I J K L M N O P Q R S T U V W X Y Z

L.N.H

フランス男子全国リーグ、Ligue Nationale de Handballの略(フランス語)。
国内最強の14クラブ2回総当たりで行なわれるプロリーグ。田場裕也、土井レミイ杏利、女子リーグでは、金城晶子ら日本選手がプレーしている。リーグと併行して進む「リーグカップ(男子)」の準決勝、決勝を2009年4月アメリカのマイアミで行ない話題となった。

ランツ Erwin Lanc

エルヴィン・ランツ。1984~00年の4期(16年)をつとめた国際ハンドボール連盟の第4代会長。世界選手権の2年おき開催やマーケティングの強化を進めた。オーストリア政府の運輸・外交畑で活躍、75年からオーストリア協会会長。温厚な人柄に加盟国の信頼が厚かった。30年5月生まれ。

ラストパス last pass

得点を生んだシューターへの直前のパスあるいはその送り手。アシストとしての評価を生むが公式記録には含まれない。試合終了直前、決勝点につながる劇的なパスは醍醐味だ。

ラテラルパス lateral pass

ボールを上からつかんで横へ投げるパス。

リーグ league

連合、連盟。同じ理念や同じ地域のチームなどで組織される。

リーグライセンス

国内トップリーグに加盟し参戦するための資格。各クラブ(チーム)は、次シーズンの財政計画、集客計画などを明記した文書で申請し、審査を受けたのち交付される。ヨーロッパでは、不安定な状況から更新の手続きを見合わすクラブも毎シーズン少なくない。

リーグ戦

リーグのメンバー(加盟チーム)による試合で原則として交流を深める総当たり戦。転じて日本では総当たり戦の大会形式を指す場合が多い。対比として「勝ち抜き戦」がある。

レクチュアラー lecturer

講師。国際ハンドボール連盟の各委員会(コミッティ)の決定事項や方針を各国に伝達するため原則として大陸別に選任される。日本人では13年11月現在、競技規則・審判員委員会で後藤登がつとめており、これまでは同委員会で斉藤実、コーチ・手法委員会で水上一らが活動した。

レフトハンダー lefthander

左腕を利き手とする選手。同意語のサウスポー(southpaw=左利きのピッチャー)は本来ベースボール用語だが、最近はハンドボールなど各スポーツでも使われる。レフティ(lefty)とも呼ばれる。

レキップ L’EQUIPE(フランス語)

ヨーロッパを代表するフランスの日刊スポーツ新聞。1945年に創刊、現在の発行部数は65万部といわれ、あらゆるスポーツを克明にカバー、ハンドボールの扱いも大きい。エキップはフランス語で「チーム」の意味。

ライセンス license

免許、認可などの意。日本協会は個別に登録証を発行している。その数が競技者、愛好者人口となる。このほか指導者、審判員などにも発給される。ヨーロッパの上位リーグ加盟クラブは毎年、財政計画書を添えてライセンスの更新手続きが義務付けられている。用具などハンドボール関連商品の販売を日本ハンドボール協会などが認可することも指す。

ライフタイムレコード lifetime record

チーム、プレーヤーなどの通算記録。ライフタイムは「生涯」の意だが、プレーヤーの場合は第一線で活動している期間を示し、日本ハンドボールリーグでは、その在籍中が対象となる。

林五卿 O-Kyong Lim

イム・オキョン。韓国が生んだ世界最高レベルの女子選手。1989年世界女子ジュニア準優勝で注目され、92年バルセロナ・オリンピック金メダル、95年世界女子選手権優勝の原動力となった。96年アトランタ・オリンピック(銀メダル)と合わせこの3大会でベストセブン、96年度世界最優秀女子選手に選ばれている。多彩なシュート技術、正確な配球、鋭敏なフットワーク、気迫に満ちたリーダーシップと展開力は、登場のたびにヨーロッパの専門家、ジャーナリストの絶賛を浴びた。「20世紀を代表する女子選手」の3位にノミネートされたのでも、評価の高さがわかる。
94年秋から広島イズミ(現・広島メイプルレッズ)に加入、そのあと広島メイプルレッズの監督兼選手として活躍、08年5月に帰国(ソウル市庁監督に就任)するまで日本女子界に与えた刺激の大きさは計り知れない。2003年世界女子選手権代表に突如カムバック。悲観的だった韓国女子のアテネ・オリンピック参加への道を衰えぬ技術で開き話題をまいた。

ライン

①競技場の領域を示すための「線」。
②競技規則に示されたプレーを行なうために設けられた「線」。ゴールラインの幅は8㎝、そのほかのラインはすべて幅5㎝。破線(いわゆる点線)によるフリースローラインの長さは15㎝で、同じ長さの間隔で引かれる。ラインは原則として白色、屋内ではテープ、屋外では石灰で引き、ビーチではヒモ(太さに規定はない)を張ることが多い。
③標準、水準などを示す一線。

ラインクロス linecross

コートプレーヤーゴールエリアラインを踏み越してゴールエリアに侵入してしまう反則。ゴールエリアラインはゴールエリアに含まれる。

ライン内防御

ディフェンス側のコートプレーヤーゴールエリア内に入ってプレーする反則。

ラインプレーヤー

ゴールエリアライン沿いに、さまざまな攻撃姿勢をとるプレーヤー。ポストと同意語に近い。対比はバックプレーヤー

リスト list

名簿。(注・手首はwrist

ライブ live

テレビ、ラジオのナマ(実況)放送。対比にテープド(taped、録画、録音)などのディレイ(delay)放送がある。

ローカルルール local rule

競技場や参加者の状況に応じて基本的な競技規則のほかに特別に設けられる規則。

ロンドン・オリンピック

2012年7月27日~8月2日に開かれた夏季オリンピック。ハンドボール(男女)は新設の「アリーナⅢ」(コッパーボックス)を会場に男女各12ヵ国が参加して開かれ、男・フランス、女・ノルウエーが優勝。ロンドンは3回目の開催になるが、前2回(08年、48年)ハンドボールは行なわれていない。

ロングヒッター

ロングシュートを射つのを得意とするプレーヤー。

ロングパス

長い距離のパス。20メートル以上の距離を指すことが多い。

ロングラン

日本ハンドボールリーグのように6ヵ月以上あるいはそれに近い期間にわたって行なわれる大会。

ロングシュート

ゴールに遠い地点から射つシュート。通常フリースローラインより手前から放つシュート。愛好者は単に「ロング」と呼ぶことが多い。最近、「ディスタンス・シュート」という表現もヨーロッパのマスコミでは見られる。

ロングスロー

長い距離を投げること。ロングパスロングシュートの総称ともいえる。

ループパス loop pass

ディフェンスの頭上を越し輪(半円)を描くようにしてのパス。loop(英語)は円環などの意。

ループシュート

強いシュートを打つと見せかけ、シューターとの距離を詰めようとするゴールキーパーをつり出し、その瞬間を狙ってその頭上へ放つ「山なり」の技巧的なシュート。

ルーズボール loose ball

コート上で、どちらのチームにも属していない状態のボール。旧来のルールでは、このボールに身を投げかけて自軍のボールにしようとするプレー(=セービング)は反則とされたが、現行は違反にならない。この改正で試合の展開にスリルが増した。

ルーザー loser

敗者。負けた側のチーム。

ラッキーガール・ボーイ

何をやっても得点などへつながる運のよいプレーヤー。どのようなプレーも運よく成功するプレーヤー。「大会を通じてのラッキーガール」「この試合のラッキーボーイ」などと使う。