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HANDBALL A to Z
作成・杉山茂&スポーツイベントハンドボール編集部 2014.04.15Version
これまでハンドボール用語といえば規則(ルール)、技術・戦術用語が主でした。ハンドボールファンの拡大、内外情報の多彩化などで、用語は極めて多範囲となり、新たな解説が求められています。この企画はそうしたニーズに応えるものでスポーツイベント・ハンドボール誌(月刊)を読んでいただく場合の手引きともなります。外来語が多いためアルファベット順に日本語用語(ローマ字読み)と史上特筆すべき業績を残した内外のチーム、人物も加えました。年数は西暦、項目表記は英語系のみとしてあります。競技規則用語は「日本ハンドボール協会競技規則平成25年版(2013.12.16発行)」を参考にしています。1~2年ごとに追加、補充、修整など改訂を重ねていく予定です。個人の敬称略。
〈禁無断使用転載〉

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G14

ヨーロッパの14の超有力サッカークラブが国境を越え、事業の促進などを図るため2002年に組織された。現在はその数が24に増えているが、この動きは、ほかのチームスポーツ(球技)にも波及、特にハンドボールはドイツ、スペインなどの有力クラブが、その名称も同じ「G14」とし、2006年11月、デュッセルドルフ(ドイツ)で組織化。07年秋から「グループ・クラブハンドボール=GCH」と名乗り、現在の「ヨーロピアンプロふぇっ主なるハンドボールリーグ協会(EPHLA)に発展している。クラブの財政基盤強化を最優先とする主張は、各国協会や代表チーム担当者、ヨーロッパハンドボール連盟などを揺さぶっている。

外部指導者

中学や高校がハンドボール部の活動のため、外部から迎える指導者とその制度。80年代までは、指導者は自校の教職員に限られていたが、少子化などで、その数が減少、生徒のニーズに応えることや、部活動を継続するために導入された。原則として学校長の委嘱を必要とするが、適任者がプールされ、学校側の要望に応じて派遣する方式や、巡回型の担当など各地で新しい試みが採られている。指導者はその学校の卒業生(OB、OG)のほか、近隣に居住する経験者など多彩だ。日本ハンドボール協会は企業チームや大学チームが、所在地周辺で“外部指導”の活動を積極化するシステムを検討している。

外国人選手

日本に居住する外国籍愛好者・競技者を指す。日本ハンドボール協会は、38年設立以来、「外国人選手」の国内における活動(登録・大会参加など)を制限していない。ただし、大会によってはエントリーやコート上で競技する人数を規定する場合がある。原則として日本の中学校・高等学校を卒業した人は「外国籍」の扱いをしない。
国際試合(大会)への参加は、国際及び日本オリンピック委員会国際ハンドボール連盟の規程が優先され、日本代表チームでの活動は日本国籍を持つ人に限られる。
国際ハンドボール連盟はクラブの大会は、主催機関の規程を尊重。
国内では、日本ハンドボールリーグは「試合エントリー数は2名以内」とし2007~08年シーズンから「コート上1名」と規制。国民体育大会は、日本体育協会が特別の規定(参加資格)を設けている。

学校体育

学校教育活動の一環として行なわれる「体育活動」。必修教科時の体育と、いわゆる部活動、学校行事での体育イベントなどを指す。
ハンドボールは必修教科の“ボール運動”、“球技”として評価され、日本ハンドボール協会は「小学校教材」としての拡がりを重点施策に据えている。
部活動では、特に高校で親しまれ、日本ハンドボール界の愛好者人口はつねに60%以上が教育現場を基盤とした高校生とそのチームである。

ガーラ gala

祝祭の意から転じてイベント色の濃いスポーツ大会。ガラ、ギャラともいわれる。ヨーロッパでは「ハンドボールガーラ」の企画は多く、チャリティ目的のオールスターゲームなどが開かれる。日本では97年6月3日、熊本世界選手権の上位3チームと日本によって東京・駒沢で「ワールドドリームゲーム」が行なわれている。

ゲームメーク、ゲームメーカー

試合の流れ(戦況)を的確に判断して攻守を展開すること。その中心となる選手。最近は「コントローラー」(司令塔)と呼ぶヨーロッパのマスコミも多い。

蒲生晴明(がもう・せいめい)

日本が生んだ国際レベルの名選手。73年大学1年で全日本入り。当時192㎝、92㎏は“超大型”。3回(モスクワを含む)のオリンピック代表のほか、世界選手権、アジア選手権各3回、アジア大会、世界学生選手権各1回の代表として活躍。「ガモ」の名で本場ヨーロッパ球界でも注目のオールラウンダーだった。中大付属高-中大-大同特殊鋼で、つねにそのレベルの攻撃記録の最高数を樹立。日本のハンドボール選手として国内で最も知名度の高かった選手だ。全日本監督を務めたあと、現在は日本オリンピック委員会競技者育成プログラム構築プロジェクト中央班チーフなどをつとめ、2013年から同委員会理事。日本ハンドボール協会では国際担当常務理事。テレビ解説の上手さにも定評がある。1954年4月東京生まれ、中部大学教授。

「がんばれ20万人会」

日本ハンドボール協会が1999年4月に設立した協賛支援活動の全国組織。前身は「日本ハンドボール協会賛助会」(1983年~92年)。一般ファン、OB、OGなどを会員とするサポート会と日本協会に登録している愛好者、競技者、審判員などを会員とする2つのパートがある。総計10万人を目標としていたが、2007年3月、そのラインを越え、会名を「がんばれ20万人会」に改めた。会の名称どおり本来の主旨はサポート会員の拡充にあり、ファミリー、ジュニア、都道府県グループなどの種別を設けている。

ゼネラルマネージャー general manager

近年にわかに必要性が説かれているクラブ(チーム)運営の統括責任者。従来の運営型から経営型が期待され、日本ハンドボールリーグ機構が養成に取り組んでいる。

減算式時計

競技時間を示す時計で30分から発進、1秒ずつ減ってゼロに近づくもの。対比は加算式

ゼスチュア gesture

審判員の身ぶり、手ぶり。
フリースロースローインの判定後、その方向を示す。
警告退場追放など罰則を示す。
③反則の判定の“理由”の説明。
④得点。
⑤タイムアウトなどに分けられ、観客やテレビの視聴者にとっても有用とされる。ゼスチュアはレフェリーが立ち止まって行なうことが指示されており、走りながら、歩きながらは行なわない。ハンドシグナルも同じ意。

岐阜県協会

1949年11月設立。社会人クラブが先導的な役割を果たす異色のスタートで、その後、高校界の充実をみた。「市民系」の伝統は実業団、クラブの熱い展開に受け継がれている。

義務出場枠

国際ハンドボール連盟が世界選手権の参加を自動的に大陸別に割り振った数をいう。最近は固定出場枠と呼ばれることが多い。コンパルソリープレースに同じ。

GK

ゴールキーパーの略称、略記。

グローバル・レフェリートレーニングプログラム

国際ハンドボール連盟が若手の国際レフェリーを養成するため06年から始めたコース。第1期生の池渕智一・檜崎潔ペア(日本)は第1回世界女子ユース選手権(06年8月・カナダ)に抜てきされた。2013年後期アジアコースが11月に福岡で行なわれている。GRTPと略称される。

5:1ディフェンス

標準的な防御(ディフェンス)システムの1つ。6人のCPのうち1人が前へ出て(=トップディフェンス)、相手のロングシュートを防ぐ。後陣の5人との間隔をタイトにし中央部の壁に厚みをつける。ディフェンスのシステムはGKに近い人数をさきに呼ぶ。

ゴール goal

得点のこと。②両アウターゴールラインの中央に据えられた高さ2m、幅3m(内のり)の「門」。固定されることが望ましい。2本のゴールポストを水平なクロスバーで連結し、対照的な2色で塗られる。国内では赤と白が多い。ボールがゴールを通過したあと、そのまま留まるようにゴールネットが張られる。ビーチ競技のゴールも同じサイズ。11人制のゴールは高さ2.44m、幅7.32m。③最終目標。

ゴールエリアライン

ゴールの正面6m地点に引いた長さ3mの直線とゴールポストの後部内側の角を中心として引かれた半径6mの円弧でアウターゴールラインと結ばれた線。このラインを越すとラインクロスの反則となる。例外はゴールエリアの項を参照。

ゴールエリア

ハンドボールでもっとも特徴的なエリア(地域、区域)。この外側から打たれたシュートでなければ得点とならない。エリアの“上空”からのシュートは認められる。ゴールエリアラインで境界が示された平面をいい、GKだけが入ることができる。コート上に2ヶ所ある。CPがボールを持たずに入った場合、プレーしたあとに入った場合は自チームに有利とならず、相手の動きに不利とならなければ違反にならない。防御側のCPが入った場合も相手に不利とならなければ反則とされない。味方のCPからエリア内のGKにボールがパスされた場合は相手のフリースロー。
最近は華やかさを浮き出すためフロアとは異なった色で塗り分けられる工夫がされている。

ゴールディファレンス goal difference

ディファレンスは「違い」の意。チーム相互の得失点差をいう。同じ勝点、同じ勝利数など規定では順位などが決められない場合に適用される。全試合の総得点と総失点の差、関係するチーム間の得失点差などの方法がある。

ゴールゲッター goalgetter

得点力に優れた選手。シュートに決定力のある選手。ストライカーとも呼ばれる。同意に使われるポイントゲッターは和製英語。

ゴーリー goalie

ゴールキーパー(GK)に同じ。

ゴールイン

①規則に違反せずボールがゴールを完全に通過し得点が与えられること。
②チームや選手の最終目標が達成された場合の表現にも用いられる。

ゴールジャッジ

11人制でそれぞれのゴール近くのラインの外側に立ちゴールの成否、ラインクロスの判定などレフェリーを補佐した審判員。門審と訳される。

ゴールキーパー

ゴールエリアのなかで、攻撃側のシュートを阻止するプレイヤー。足を含め身体のあらゆる部分でボールに触れることができる。両チームのCPや相手のGKと判別できる色のユニフォームを着用しなければならない。ゴールエリアを出てプレーに参加できるが、その場合はCPの規則が適用される。略称、略記はGK。ゴーリー、ゴールの見張人という意味でゴールテンダーと呼ばれることもある。

ゴールキーパーライン

ゴールラインから4mの地点に引いた長さ15㎝のライン(マーク)。GKは7mスローを防御する時、このラインより前には出られない。

ゴールキーパースロー

GKがゴールエリアから行なうスロー。相手チームのプレイヤーが最後に触れたボールがアウターゴールラインあるいはゴールの上を通過した時、エリア内でGKがボールをコントロール(制御)した時に行なわれる。一般的に「キーパースロー」と呼ばれる。

ゴールライン

ゴールポスト間の長さ3m、幅8㎝のライン。このラインをボール全体が完全に通過しなければ得点と認められない。

ゴールネット

ゴールされたボールがそのまま留まるように張られる網。材質に金網が使われたり、網の変わりに木材を張ることは禁じられる。

ゴールポスト

垂直に立てられたゴールを支える高さ2mの2本の柱。門柱。

ゴールレフェリー

2人のレフェリーのうち、アウターゴールラインの外側から得点の認定や、ゴールエリアへの侵入管理をつとめるレフェリー。もう1人のレフェリーはコートレフェリーで両者は競技中、互いに“立場”(サイド)を交代しあう。そのタイミングは時間を目安とし、得点や7mスロータイムアウトなどプレーが止まっている時が望ましいとされる。

ゴールスコアラー

得点を記録した選手、得点者。

ゴールテンダー goal tender

ゴールキーパー(GK)に同じ。英語圏で多い表現。

ゴールカメラ

goal cameras。ボールがゴールポスト、ゴールバーを完全に通過し得点となったか微妙なケースの判定のためにゴール(バー)に取り付けられた小型カメラ。2012年フランスでのヨーロッパカップで試用、15年カタールでの第24回世界男子選手権、デンマークでの第22回世界女子選手権でも設置されたが、経費がかさみ、義務づけられるまでには至っていない。

5大都市体育大会

1950年から2003年まで横浜、名古屋、京都、大阪、神戸の各市が参加して開かれた総合競技大会。ハンドボールは男子が63年、女子が81年から実施されたが、各市の財政事情で休会となった。ハンドボールの優勝回数は名古屋が男11、女17、京都が男15、女4、大阪が男5、女1、横浜が男3、女0、神戸が男6、女0だった。04年から「都市間スポーツ交流大会」として行なわれている。

ゴールデンリーグ

2012年秋、デンマーク、フランス、ノルウェーの3協会が結んだ代表チームによる新型の国際定期戦。毎シーズン(秋~冬)各国で1シリーズずつを受け持ち、そのたびび外国チームをゲストに迎えるのが特色。12~13年は女子のみ、13~14年は男女、14~15年は女子のみ行なわれ、13~14年の男子のフランスシリーズにカタールが招かれ、話題となった。

グッドウィルゲームズ

国際総合競技大会の1つ。モスクワ、ロサンゼルス両オリンピックでボイコットする国が見られたことで、アメリカ、ソ連(当時)のスポーツ関係者が会談。アメリカの民間衛星テレビ局によって政治を超えた大会として1986年モスクワで第1回が行なわれ、そのあと4年ごとに両国の都市を会場に開かれた。ハンドボールは86年、90年シアトル、94年サンクトベルグの第3回まで実施され、日本も86年女子、90年男子の全日本が出場した。98年ニューヨークでの第4回大会からハンドボールは実施されていない。ソ連の崩壊もあり現在は休会。

後藤 登(ごとう・のぼる)

日本の代表的な国際公認レフェリー。82年、当時の国際Aライセンスを取得、87年、千野恒夫とのペアで第5回世界女子選手権Bグループを担当。92年バルセロナオリンピックに島田房二(故人)とのペアで日本人初の「オリンピックレフェリー」となった。このあと97年、清水宣雄とのペアで第15回世界選手権(熊本)。現在は国際ハンドボール連盟規則・審判員委員会のレクチュアラーとインストラクターをつとめる。50年5月東京生まれ。

グランドスラム grand slam

トランプの圧倒的な勝ちぶりから転じ、そのシーズンのあらゆる大きな大会の優勝を独占する意味。日本では「4冠王」などと称賛される。

グラスコート grass court

芝生(grass)にコートを設けて行なう屋外7人制。ローンコート(lawn)に同じ。ヨーロッパの夏のトーナメントに多い。屋外7人制はこのほか、クレー、ハードなどのコートで行なわれるが、7人制の主流はインドア(屋内)である。

グリーンカード

チームタイムアウトを要望する場合、チーム役員がオフィシャル席に置くカード。約15㎝×20㎝の緑色のためこう呼ばれる。両面に「T」と表示されている。

グラウンド ground

11人制ハンドボールの会場、施設の名称などを指す。

グラウンドハンドボール

11人制ハンドボール、フィールドハンドボールに同じ。屋外7人制はこのように呼ばない。

グループ・クラブハンドボール

前掲の「G14」がさらに発展し「G18」を経て2007年秋から10ヵ国の男子24クラブによって組織されたグループ。グラブの出入りは激しく2012年は18クラブの加盟。「フォーラムクラブハンドボール」の前身といえる。英文の略称、略記はGCH。

グループ戦

大会で参加チームを複数のグループに分けてそれぞれ試合を行なうその段階の名称。各グループの上位チームが改めて順位決定などを行なう。グループ戦は総当たりと決まっているわけではない。世界選手権は参加24ヶ国を4組に分けてグループ戦、そのあと3位までの12ヵ国をさらに2組に分けて第2次のグループ戦、決勝トーナメント進出の4ヵ国を決める。日本でも全国小学生大会など採用する大会が増えている。

GRTP

グローバル・レフェリー・トレーニングプログラムの略。

ゲストチーム

他地域から乗りこんできたチーム、あるいは招待したチーム。ヨーロッパの試合場のスコアボードは常時「ホーム」「ゲスト」(あるいは「ビジター」)と表示されていることが多い。

ガイドライン guide line

日本ハンドボール協会などが示す将来の施策の指針、指導の目標。

グンマースバッハ VfL Gummersbach

20世紀ヨーロッパ最高の人気と実力を誇ったドイツの強豪クラブ。同国西部の小都市で1861年設立され、地域住民とともに歩んできた。ハンドボール部門が頭角を現わしたのは1960年代で66年ドイツリーグで初優勝、通算12回優勝。ヨーロッパチャンピオンズリーグ優勝5回。90年代財政難に見舞われたがホームタウンを離れた大ホールの興行を復活させ立ち直った。13年8月、新しいホールが完成した(収容力4078人)。韓国の巨砲・尹京信が2006年までホームクラブとしていた。71年に来日、日本にもファンが多い。

群馬県協会

1948年1月設立。高校界を主体に発展、そのOB、OGが社会人チームを結成して歩んできた。60年、ルーマニアと全群馬の一戦は“最初の10年”の集大成だった。

軍隊スポーツワールドゲームズ

国際軍隊スポーツ連盟が第1回を1995年にローマで開いた軍隊チームによる4年にいちどの国際総合競技大会。15~20競技が行なわれる。ハンドボールは2007年インドでの第4回で初採用されたが、第5回(11年、ブラジル)では見送られ、第6回(15年)は韓国・聞慶市で予定され、ハンドボールも“復活”した。

逆スピンシュート

ボールに意識的にシュート回転あるいは横回転をかけてフロアにはずませてゴールを狙う技術。ボールの跳ね返りの変化でシュートの角度が広がる。スピン(spin)。